「シャンプーも育毛剤も変えたのに、分け目やつむじのボリュームが戻らない…」
外側のケアを一生懸命がんばっている方ほど、実は食習慣が原因で薄毛を進行させてしまっているケースを、診察室で数多く見てきました。
髪の毛は、心臓や脳のように命に直結する臓器ではありません。そのため、栄養が不足したり血流が悪くなると、真っ先に影響を受けやすい末端の臓器です。どれだけ高価な育毛剤を使っても、髪の材料となる栄養が足りなければ、土台である毛根は十分に働けません。
この記事では、薄毛治療を行う医師として、
- 薄毛と食事の深い関係
- 薄毛が進行するNG食習慣
- 髪に良い栄養素と具体的な食べ方
- それでも進行する場合の医療・クリニック活用法
までを、できるだけ分かりやすく解説します。今日から変えられる小さな一歩が見つかるはずですので、ぜひ気になるところから読み進めてみてください。
※ここでお伝えする内容は一般的な情報であり、個別の診断や治療に代わるものではありません。気になる症状が続く場合は、必ず医療機関にご相談ください。
薄毛と食事の深い関係|なぜ食習慣が髪へ影響するのか?

薄毛の主な原因と食生活が果たす役割
薄毛の原因というと、遺伝やホルモンが真っ先に思い浮かぶ方が多いと思います。確かに、これらはとても重要な要素です。しかし、実際の診療現場では、遺伝やホルモンだけで説明できない薄毛も少なくありません。
薄毛の主な要因を整理すると、次のようになります。
- 遺伝(体質としてのなりやすさ)
- ホルモンバランスの変化(男性ホルモン、女性ホルモンの低下など)
- 血行不良(冷え、運動不足、肩こりなど)
- 頭皮環境の悪化(皮脂過多、炎症、フケ)
- ストレス・睡眠不足
- 栄養不足・偏った食事
この中で食生活は、ホルモン・血流・頭皮環境のすべてに間接的に関わっています。たとえば、糖質や脂質を摂り過ぎると皮脂分泌が増え、頭皮のベタつきや炎症を起こしやすくなります。極端なダイエットをすれば、髪の材料であるたんぱく質や鉄・亜鉛が不足し、毛が細くなったり抜けやすくなったりします。
つまり、食生活は単なる栄養補給ではなく、薄毛の様々な要因を静かに悪化させたり、逆に整えてくれる重要な基盤だと考えてください。
髪の毛の成長サイクルと必要な栄養素
髪の毛には「ヘアサイクル」と呼ばれる一定のリズムがあります。
- 成長期:2〜6年ほど続く、髪がぐんぐん伸びる期間
- 退行期:成長がゆっくりになり、毛根が小さくなっていく期間
- 休止期:成長をお休みする期間(数か月程度)
健康な頭皮では、約9割の髪が成長期にあり、少しずつ生え変わりながら全体のボリュームを保っています。しかし、なんらかの原因で成長期が短くなったり、休止期に移行する毛が増えたりすると、抜け毛が増え、髪が細くなり、薄毛として目に見えるようになってきます。
この成長期の髪を支えているのが、毛根の中にある毛母細胞です。毛母細胞は、休みなく細胞分裂を繰り返しながら髪を押し出しています。ここで重要なのが、毛母細胞のエネルギーと材料となる栄養です。
髪の成長に特に関わる栄養素として、
- たんぱく質(髪の主成分ケラチンの材料)
- 鉄・亜鉛(毛母細胞の働きや血流をサポート)
- ビタミンB群(たんぱく質代謝、エネルギー産生)
- ビタミンA・C・E(抗酸化・頭皮の健康)
などが挙げられます。これらが十分に足りていれば、毛母細胞は元気に働き、太くハリのある髪を育てやすくなります。逆に、不足が続くとヘアサイクルは乱れ、髪は細く短くなり、全体のボリュームはじわじわと低下していきます。
食生活・食事がAGAや女性の薄毛にも影響する理由
男性の薄毛に多い「AGA(男性型脱毛症)」は、男性ホルモンの一部が毛根に影響し、成長期を短くしてしまう状態です。一方、女性の場合は、
- 加齢による女性ホルモンの低下
- 出産後、授乳期
- 過度なダイエット
- 更年期前後のホルモン変動
などが重なり、「びまん性脱毛症」と呼ばれる全体的なボリュームダウンが起こりやすくなります。
これらのホルモンの変化そのものは、食事だけで完全にコントロールすることはできません。しかし、食生活によって
- 血糖値の乱高下
- 慢性的な炎症
- 貧血やミネラル不足
- 体重の急激な増減
が続けば、ホルモンバランスはさらに不安定になり、AGAや女性の薄毛を進行させる追い打ちとなり得ます。
逆に言えば、食事・睡眠・ストレスケアを整えることで、治療の効き方を底上げしたり、薄毛の進行スピードを緩やかにすることが期待できます。食事は、ホルモン治療や外用薬と並ぶ土台の治療として、非常に重要な位置づけなのです。
意外と知られていない薄毛が進行するNG食習慣とは?

過剰な糖質・脂質・塩分摂取のリスク
現代の食生活では、糖質・脂質・塩分の摂りすぎは、もはや避けて通れないテーマです。特に、パン・麺・スイーツ・揚げ物・ジャンクフードが多い方は要注意です。
糖質を摂りすぎると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されます。インスリンの乱高下は、ホルモンバランス全体に影響し、男性ホルモン優位な状態を後押ししてしまう可能性があります。また、糖とたんぱく質が結びつく糖化という現象は、血管や皮膚・頭皮の老化を早める要因にもなります。
脂質、とくにトランス脂肪酸や酸化した油の摂りすぎは、血液をドロドロにし、頭皮を含めた末梢血管の血流を悪化させます。結果として、毛根へ運ばれる酸素や栄養が不足しやすくなります。
塩分の摂りすぎも、むくみ・高血圧を通して血流を悪化させる一因です。味の濃い外食やスナック菓子が多い方は、知らず知らずのうちに髪の毛の環境を悪くしているかもしれません。
インスタント食品やコンビニ食の常用が及ぼす影響
インスタントラーメンやレトルト食品、コンビニの揚げ物・おにぎり・パンは、忙しい現代人にとって手軽で便利な味方です。しかし、それがほぼ毎日のレベルになると、髪にとっては明らかなマイナスに傾きます。
こうした加工食品は、
- 糖質と脂質の割合が高く、たんぱく質やミネラルが少ない
- 油が酸化している
- 塩分や添加物が多め
といった特徴があり、総合的に見て「髪に必要な栄養が不足しやすい」内容になりがちです。
もちろん、忙しい日が続く中でコンビニを完全にやめる必要はありません。重要なのは、主食+たんぱく質+野菜を意識しながら選ぶことです。同じコンビニでも、
- 揚げ物+菓子パン
- おにぎりだけ・サンドイッチだけ
よりも、
- おにぎり+サラダチキン+サラダ
- 雑穀おにぎり+サバ缶+カット野菜+味噌汁
の方が、髪にとってはずっと良い選択になります。
栄養不足ダイエット・無理なカロリー制限による毛髪トラブル
短期間で体重を落とすために、極端なカロリー制限や置き換えダイエットを行う方も少なくありません。ですが、無理なダイエットは髪にとって最悪のストレスになり得ます。
カロリーを極端に減らすと、身体は生命維持に必要な臓器を優先して守ろうとします。その結果、髪や爪など命に直結しない部分への栄養供給は後回しにされます。成長期の髪が一気に休止期へ移行し、2〜3か月後にドサッと抜け毛が増える、いわゆる休止期脱毛が起こることもあります。
特に、たんぱく質・鉄・亜鉛・ビタミンB群が不足しやすいダイエットは、髪のボリュームダウンを招きやすいです。体重だけでなく、髪や肌も同時に痩せてしまうようなダイエットは避けるべきでしょう。
コーヒーやアルコールなど飲み物の落とし穴
食事にはそこまで問題がないけれど、飲み物はあまり意識していないという方も多いのではないでしょうか。実は、飲み物の選び方も薄毛と無関係ではありません。
カフェインを多く含むコーヒーやエナジードリンクは、一時的に体をシャキッとさせてくれますが、飲み過ぎると睡眠の質を下げたり、胃腸に負担をかけたりします。睡眠の質が低下すれば、髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌にも影響します。
また、アルコールは肝臓で解毒される過程で、多くの栄養素を消費します。お酒の量が多い方は、せっかく食事から摂ったビタミン・ミネラルが解毒作業に奪われてしまい、毛根まで十分に届かないことがあります。さらに、寝酒の習慣は睡眠の質を低下させ、翌日の食欲や血糖コントロールにも悪影響を及ぼします。

朝食抜き・夜遅い食事・だらだら間食など「時間帯」の問題
何を食べるかと同じくらい大切なのが、いつ食べるかです。
朝食を抜くと、長時間の空腹によって血糖値が大きく上下しやすくなります。それを補うために昼食で一気に糖質を摂ると、インスリンが大量に分泌され、ホルモンバランスの乱れ・脂肪の蓄積・眠気などを引き起こします。このリズムが続くと、頭皮への血流も安定しません。
夜遅い時間の重い食事は、寝ている間も消化器官に負担をかけ、深い睡眠を妨げます。髪の成長に大切な成長ホルモンは、主に入眠後の深い睡眠中に分泌されますが、胃が活発に働いていると、その分泌が十分に行われにくくなります。
また、だらだらとした間食は、常に血糖値を揺さぶり続けるため、ホルモンや自律神経にとってもストレスとなります。間食をするなら、時間と量を決めて楽しむ方が、髪にも体にもやさしい選択です。
「ヘルシーなつもり」で実は髪にはNGな思い込み習慣
健康志向の方ほど陥りやすいのが、「ヘルシーなつもり」の落とし穴です。たとえば、
- サラダだけで食事を済ませる
- 野菜ジュースだけで朝食を済ませる
- 糖質オフを徹底するあまり、たんぱく質と脂質に偏る
- スムージーばかりで噛む回数が少ない
などは、一見美容に良さそうに見えますが、髪にとっては必要な栄養が不足しやすいパターンです。特に、サラダ中心でたんぱく質が圧倒的に少ない食事は、ケラチンの材料が足りなくなり、髪が細くなってしまう原因になり得ます。
本当に髪のことを考えるなら、カロリーが低いかどうかだけでなく、髪の材料と、それを運ぶ栄養が足りているかに目を向ける必要があります。
髪の毛に良い食べ物・栄養素とは?|薄毛に効く成分を徹底解説

薄毛予防・改善に必要な栄養素(タンパク質・ビタミン・ミネラル・亜鉛など)
薄毛予防・改善というと、まず思い浮かべていただきたいのがたんぱく質です。髪の約9割はケラチンというたんぱく質でできており、その材料が不足すれば、しっかりした髪を作ることはできません。
たんぱく質源としておすすめなのは、
- 肉(鶏むね肉、ささみ、赤身肉など)
- 魚(サバ、サーモン、イワシなどの青魚も◎)
- 卵
- 大豆製品(納豆、豆腐、高野豆腐)
- 乳製品(ヨーグルト、チーズ)
などです。特定の食品に偏らず、いろいろな種類からバランスよく摂ることが大切です。
さらに、髪の成長を支えるミネラルやビタミンとして、
- 鉄:赤身肉、レバー、あさり、小松菜 など
- 亜鉛:牡蠣、牛肉、卵、チーズ、ナッツ類 など
- ビタミンB群:豚肉、レバー、卵、納豆、玄米 など
- ビタミンD:サーモン、サバ、きのこ類 など
が挙げられます。これらは、毛母細胞のエネルギー代謝を助けたり、頭皮の血流を保つために必要です。
髪の主成分ケラチン&成長促進に効くアミノ酸・シスチン・メチオニン
ケラチンは、アミノ酸が鎖のようにつながった構造をしており、その中でも含硫アミノ酸と呼ばれるシスチンやメチオニンが豊富に含まれています。これらは、髪の強度やしなやかさに関わる重要な成分です。
シスチンやメチオニンを多く含む食品としては、
- 肉類(特に鶏肉・豚肉)
- 魚介類
- 卵
- 大豆製品
- ナッツ類
などが挙げられます。特別なサプリメントに頼らなくても、日常の食事で十分に摂取することは可能です。
また、アミノ酸は一度に大量に摂るよりも、毎食コツコツと摂り続けることがポイントです。髪は一晩で生えてくるわけではなく、毎日の積み重ねで少しずつ作られていくため、継続が何よりの育毛ケアになります。
抗酸化成分と頭皮環境を守るビタミンA・C・E、イソフラボンの重要性
頭皮は紫外線や乾燥、ストレスなどさまざまな刺激にさらされており、酸化ストレスと戦い続けています。この酸化ストレスから細胞を守るのが、抗酸化ビタミンであるA・C・Eです。
- ビタミンA:緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草、かぼちゃ)、レバーなど
- ビタミンC:柑橘類、キウイ、いちご、ブロッコリー、パプリカなど
- ビタミンE:ナッツ類、アボカド、オリーブオイルなど
これらを意識して摂ることで、頭皮の老化スピードをゆるやかにし、血管や毛根の健康維持に役立ちます。
さらに、女性の薄毛ケアで注目されるのがイソフラボンです。大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きを持つとされ、髪のハリ・コシの維持に関わる可能性が指摘されています。
- 納豆
- 豆腐
- 豆乳
- 味噌
といった大豆食品を日常的に取り入れることで、女性の薄毛対策にプラスの効果が期待できます。
育毛・発毛を促す注目の食品ランキング(牡蠣・レバー・ナッツ類・海藻類・納豆ほか)
あくまで一般的なイメージではありますが、薄毛治療の現場でおすすめしやすい食品を、あえてランキング風にご紹介します。
- 牡蠣
亜鉛の宝庫ともいえる食材で、髪の成長を支える代表格。量はほどほどで構いませんが、定期的に取り入れたい食材です。 - レバー
鉄・亜鉛・ビタミンA・B群が一度に摂れる優秀食材。好き嫌いは分かれますが、月に数回でも取り入れられると理想的です。 - 青魚(サバ、イワシ、サンマなど)
良質な脂質(EPA・DHA)とたんぱく質が豊富で、血流改善や炎症を抑える働きが期待されます。 - 納豆・豆腐などの大豆製品
たんぱく質+イソフラボンを手軽に摂取できます。毎日食べてもいいくらい、髪には心強い味方です。 - ナッツ類(アーモンド、くるみなど)
ビタミンEや良質な脂質が豊富。間食をスナック菓子からナッツに変えるだけでも、髪にとっては大きなプラスになります。 - 海藻類(わかめ、ひじき、昆布など)
ミネラルが豊富で、頭皮の土台づくりに役立ちます。海藻を食べると髪が増えるは言い過ぎですが、バランスの良い食事の一部としてはおすすめです。
血糖値を急上昇させない「髪に優しい食べ方」のコツ
同じ食品を食べるにしても、食べ方で髪への影響は変えることができます。ポイントは血糖値をゆるやかに上げることです。
- 白米やパンを食べる前に、サラダやスープを先に摂る
- 主食を玄米・雑穀米・全粒粉パンなどに置き換える
- 甘い飲み物を習慣にしない(ジュース・加糖コーヒーなど)
- 間食はナッツやヨーグルトなどを少量にする
血糖値の乱高下が減ると、インスリンの過剰分泌も抑えられ、ホルモンバランスや皮脂分泌が安定しやすくなります。その結果、頭皮の環境も整いやすくなり、薄毛の進行をゆるやかにすることが期待できます。
薄毛対策に効果的な食事メニューと実践ポイント

一週間のバランス良い髪にいい食事例
具体的なイメージがないと、どのような食事にすれば良いのか分かりにくいですよね。ここでは、あくまで一例として、髪のことを意識した1週間のメニューイメージをご紹介します。
例:
- 月曜日
朝:納豆ごはん、味噌汁、卵焼き
昼:サバの塩焼き定食(ごはんは少なめ、野菜多め)
夜:鶏むね肉と野菜の蒸し料理、玄米 - 火曜日
朝:ヨーグルト+オートミール+フルーツ、ゆで卵
昼:豆腐ハンバーグ、サラダ、雑穀米
夜:豚しゃぶサラダ、冷ややっこ、わかめスープ - 水曜日
朝:チーズトースト(全粒粉パン)+サラダ、豆乳
昼:鮭の塩焼き、ひじき煮、小松菜のおひたし
夜:レバー入り野菜炒め、玄米、味噌汁
…というように、毎食たんぱく質をしっかり入れることと、野菜・海藻・きのこをどこかで必ず摂ることを意識すると、自然と髪に良い食事になります。完璧を目指す必要はありませんが、1週間の中で髪を意識した献立の日を増やしていくイメージが大切です。
男女別|薄毛・抜け毛予防におすすめの献立
男女で少しだけ意識しておきたいポイントもあります。
男性の場合は、仕事の付き合いで飲酒や外食が増えやすく、脂質・塩分が多くなりがちです。そのため、青魚、赤身肉、野菜多めの定食を意識し、揚げ物やラーメンの頻度を少しずつ減らしていくことが、AGA治療の後押しにもなります。
女性の場合は、鉄不足・たんぱく質不足が特に目立ちます。ダイエット中でも、赤身肉・レバー・卵・大豆製品などをしっかり摂り、サラダだけで済ませる食事を避けることが大切です。更年期前後の方は、イソフラボンを含む大豆製品も意識して取り入れると良いでしょう。
外食・忙しい人でも取り入れやすい簡単レシピ
忙しくて料理の時間がとれない方でも、少しの工夫で髪に良い食事は実現できます。
- レンチンで作れる「鯖缶とブロッコリーの蒸し煮」
- 電子レンジで簡単「鶏むね肉の酒蒸し」+カット野菜
- 冷凍野菜と卵で作る「具だくさんスープ」
これらは、フライパンをほとんど使わずに作れるため、片付けの手間も少なくて済みます。髪のための食事は、手の込んだ料理である必要はありません。たんぱく質+野菜+少しの良質な油を意識すれば、レシピはシンプルで十分です。
薄毛改善のための食生活&生活習慣チェックリスト

見落としがちなNG習慣セルフチェック
まずは現状を知ることが、改善の第一歩です。次の項目のうち、いくつ当てはまるかチェックしてみてください。
- 朝食をほとんど食べない
- 1日のうち、パン・麺類を2食以上食べることが多い
- 野菜や海藻を食べるのは1日1回以下
- ダイエット中で、肉や卵を控えている
- コンビニやテイクアウトが週4回以上ある
- 甘い飲み物(ジュース、加糖コーヒー、エナジードリンク)をよく飲む
- お酒を飲む日が週3日以上ある
- 寝る2〜3時間以内に重い食事をとることが多い
当てはまる項目が多いほど、薄毛が進行しやすい食習慣になっている可能性があります。
髪の健康を守る正しい食事ルールと続け方
一度にすべてを変えようとする必要はありません。むしろ、無理のない範囲で続けられるルールを決めることが大切です。
- 毎食、手のひら1枚分のたんぱく質を入れる
- 1日1回は緑黄色野菜と海藻を食べる
- 主食はできるだけ「白→茶色(玄米・雑穀・全粒粉)」へシフトする
- 甘い飲み物を「毎日 → 週に○回まで」と決める
- 外食が続いた翌日は、和食中心でリセットする
このようなマイルールを決めておくと、多少予定が乱れても、自然と元の軌道に戻しやすくなります。髪は数か月〜年単位で変化していくため、続けてこそ意味があることを忘れないでください。
睡眠・ストレス・運動とのトータルケアで効果を高める
食事はあくまで薄毛対策の一部分です。髪の成長は、睡眠・ストレス・運動とも深く関わっています。
- 睡眠:毎日同じ時間に寝起きし、7時間前後の睡眠を確保する
- ストレス:趣味やリラックスする時間を意識的に作る
- 運動:軽いウォーキングでもよいので、血流を良くする習慣をもつ
特に、育毛治療中の方は、これらの生活習慣を整えることで、薬の効果をより引き出しやすくなります。髪だけを特別扱いするのではなく、体全体を整える中で、結果として髪も元気になるというイメージで取り組むと良いでしょう。
さらに効果的な薄毛対策|サプリメント・医療・クリニック活用法
食事だけで足りない時におすすめのサプリメントと成分
理想は、必要な栄養素をすべて食事から摂ることですが、忙しい現代人にとってはなかなか難しい場合もあります。そのようなときにサポート役として使えるのがサプリメントです。
一般的に、薄毛対策として注目される成分には、
- 鉄
- 亜鉛
- ビタミンD
- ビオチン(ビタミンB7)
- 各種ビタミンB群
などがあります。ただし、サプリメントは多く飲めば効くというものではありません。体質や持病、服用中の薬との相性もありますので、自己判断で大量に摂取するのは避け、可能であれば医師や専門家に相談したうえで選ぶことをおすすめします。
薄毛進行時の受診目安と医師・病院の選び方
食事や生活習慣を見直しても、次のようなサインがある場合は、早めに医療機関への相談を検討してください。
- 3か月以上、抜け毛が明らかに増えた状態が続いている
- 分け目やつむじの地肌が、過去の写真と比べてはっきり見えるようになった
- 頭皮のかゆみ・フケ・赤みが強い
- 家族に明らかな薄毛のパターンがあり、自分も同じように進行している
受診する際は、皮膚科や薄毛治療を専門とするクリニックを選ぶと良いでしょう。可能であれば、男女それぞれの薄毛症例を多く扱っている医療機関を選び、カウンセリングでしっかりと話を聞いてもらうことが大切です。
AGA治療や育毛剤との併用ポイント
AGA治療薬や女性の薄毛治療薬、育毛剤は、適切に使えば一定の効果が期待できる治療です。ただし、これらもあくまで道具であり、土台となる食事・睡眠・ストレスケアが整っていなければ、十分な力を発揮できません。
- 薬だけに頼るのではなく、髪に良い生活習慣とセットで考える
- 医師に現在の食生活やサプリ使用状況を正直に伝える
- 自己判断で薬を増やしたり、海外製品を個人輸入したりしない
といった点を守ることで、より安全かつ効果的に治療を進めていくことができます。
見た目のボリュームを今すぐ補う選択肢|頭皮アートメイクという新しい方法
食事や生活習慣の見直し、内服薬や外用薬の治療は、髪の未来を整えるためにとても大切です。一方で、今、この瞬間の見た目をどうにかしたいという気持ちも、非常によく分かります。
そこで選択肢の一つとなるのが、頭皮アートメイクです。薄くなった分け目・つむじ・生え際に、専用の色素で1本1本の毛や影を描き足すことで、地肌の透けを目立ちにくくし、全体のボリューム感をアップして見せる技術です。
- 写真を撮ったときに地肌が気になる
- ヘアスタイルが決まりにくくなった
- 外出や人前に出るのがおっくうになってきた
といったお悩みを抱えた方が、頭皮アートメイクによって「鏡を見るのが怖くなくなった」「ヘアアレンジが楽しめるようになった」と前向きになるケースも少なくありません。
頭皮アートメイクは、あくまで見た目のカバーが中心ですが、その心理的な効果は、食生活の改善や治療を前向きに続けるモチベーションにもつながります。食事で内側から、アートメイクで外側から、という両輪でのケアも一つの選択肢として覚えておいてください。
まとめ|薄毛予防・改善のために今日から変える食習慣
今日から一つだけ変えるなら?医師がすすめる3つのステップ
ここまで、薄毛と食事の関係、NG習慣、髪に良い食べ物や具体的なメニューまで、お話してきました。一度にすべてを行おうとすると大変ですので、今日から一つだけ実践してみてください。
医師としておすすめしたいのは、次の3ステップです。
- 毎朝、たんぱく質を必ず摂る(卵・納豆・ヨーグルトなど)
- 菓子パンや甘い飲み物を「毎日 → 週に数回」に減らす
- 週に1回でいいので、「髪を意識した献立の日」を作る
この3つだけでも、数か月〜1年続ければ、必ず体調や髪のコンディションに変化が出てきます。大切なのは、完璧さではなく継続です。
「一人で抱え込まない」ことも大切|専門家に相談するという選択肢
薄毛の悩みは、とてもデリケートで、人に打ち明けにくいものです。「まだそこまでではない」「年齢のせいだから仕方ない」と自分に言い聞かせているうちに、気づけばかなり進行していたという方も少なくありません。
しかし、薄毛は早く気づいて対策を始めるほど、できることが多く、結果も出やすいのが特徴です。食事や生活習慣の見直しは、今日から一人でも始められますが、「本当にこれで合っているのか不安」「自分の薄毛のタイプを知りたい」と感じたら、遠慮なく専門家に相談してください。
食事で内側から、医療や頭皮アートメイクで外側から、あなたの髪と心に寄り添う方法はいくつもあります。
もう手遅れかもしれないと諦める前に。今日の一食、そして一歩から、薄毛予防・改善の食習慣を一緒に整えていきましょう。


