「分け目やつむじの地肌が透けて見えるのがつらい」
「治療も気になるけれど、まずは今の見た目を何とかしたい」
「薄毛アートメイクが気になるけれど、自分に向いているのか分からない」
こうしたご相談が、ここ数年で男女問わず一気に増えました。
しかし、薄毛アートメイクはすべての人にとってベストな選択ではありません。体質や薄毛タイプ、ライフスタイルによっては向かないケースもあり、医師の立場から正しく見きわめることがとても重要です。
本記事では、薄毛診療と頭皮アートメイクの両方を日常的に診ている医師の視点から、
- 薄毛アートメイクの基本・施術方法の違い
- 向いている人・向かない人の具体的な特徴
- 失敗しないためのクリニック選び・料金の考え方
を分かりやすく解説します。
最後まで読んでいただくことで、自分はやるべきか・やめておくべきかがはっきりし、必要な方には悩みを解決する一歩になれば幸いです。
薄毛アートメイクとは?特徴や基本情報を解説

施術の流れと必要な期間・回数
一般的な薄毛アートメイクの流れは次のとおりです。
- 専門看護師・医師カウンセリング・頭皮診察
薄毛タイプ、既往歴、内服薬、アレルギーの有無を確認し、アートメイクが可能かどうかを判断します。 - デザイン決定
生え際の形・ドットの密度・範囲などを、鏡や写真を見ながら丁寧に相談します。 - 施術
専用のニードルで頭皮の浅い層に色素を入れていきます。 - アフターケアの説明
当日〜1週間程度の洗髪・運動・飲酒・入浴などの注意点を詳しくお伝えします。 - 2回目以降の施術
1回目から3週間程度空けて、1回目に入れたドットの入り具合を確認しながら、足りない部分を調整していきます。
多くの方は3〜4回で1つの完成形に近づき、その後は退色スピードに合わせて2〜3年ごとにリタッチを行うイメージです。
SMP(ヘアタトゥー)など主な施術方法の種類
薄毛アートメイクで用いられる主な技法には、次のようなものがあります。
- SMP(Scalp Micro Pigmentation)
極小のドットを均一に並べて入れていき、毛穴が並んでいるような影をつくる方法。
つむじ・頭頂部・分け目の「地肌の白さ」を目立たなくするのが得意です。 - ストローク(毛並み)技法
生え際に1本1本の毛を描き足すように色素を入れる方法。
おでこが広く見える方や、M字が気になる方に向いています。 - ドット+ストロークのミックス
頭頂部はドットでボリューム感を、フェイスラインは毛並みで自然な生え際を…というように、複数の技法を組み合わせるケースもあります。
頭皮の状態や髪質、将来的な薄毛の進行も見据えながら、やりすぎないナチュラルデザインにしていくことが重要ポイントです。
薄毛アートメイクが向いている人の特徴

レディース・メンズ別にみる適応例とおすすめポイント
まずは「やったほうがメリットが大きい方」の具体例を挙げます。
- 女性に向いているケース
- 分け目・つむじの地肌が白く透けて見える
- トップがぺたんこで、ボリュームが出にくい
- 出産・更年期以降に髪が細くなり、頭頂部の薄さが気になってきた
- ヘアピン・ヘアファンデーションで隠すのに疲れてしまった
- 男性に向いているケース
- 坊主~ベリーショートスタイルで、地肌を均一に見せたい
- つむじ・頭頂部の透けを目立たなくし、増毛した印象を出したい
- 植毛後の傷跡やムラをなじませたい
髪の本数を増やすより、見た目の印象を整えたいという方には、薄毛アートメイクは非常に相性が良い施術です。
生え際や頭頂部など部位別の効果・カバー範囲
部位によって、得意なカバー範囲が異なります。
- 頭頂部・つむじ・分け目
ドット技法で毛穴の影を描くことで、白い地肌→自然な影に変わり、全体のボリューム感がアップして見えます。 - 生え際(ヘアライン)
毛並み技法で1本1本描くことで、広いおでこ・M字ラインを自然にぼかせます。顔まわりが引き締まり、小顔効果や若々しい印象アップが期待できます。 - 傷跡・部分的な欠損
外傷や手術痕、円形脱毛症などで生じた局所的な脱毛部にも、周囲の毛量や色に合わせて影を描くことで、目立ちにくくすることが可能です。
自然なデザイン・小顔効果を期待したい方
薄毛アートメイクは、単に「隠す」だけではなく、顔全体のバランスを整えるデザインツールとしても優れています。
- 丸顔の方:サイドをふんわりさせつつ、生え際を少しだけ下げて引き締める
- 面長の方:額を広く取りすぎず、フェイスラインに柔らかい丸みを出す
- エラ張りが気になる方:こめかみ〜サイドを自然に埋め、小顔効果を高める
薄毛アートメイクが向かない人・注意が必要なケース

アレルギー体質や副作用リスクが高い方
以下に当てはまる方は、慎重な判断が必要です。
- アレルギー体質が強い(アトピー・金属アレルギー・化粧品かぶれなど)
- タトゥーやヘナで強い腫れ・かゆみが出たことがある
- ケロイド体質・傷跡が盛り上がりやすい
- 自己免疫疾患・重度の糖尿病などをお持ちの方
このような場合、パッチテストや小範囲からのトライアルを行った上で判断することが大切です。医師と相談した結果、アートメイク以外の方法を優先したほうが安全となることもあります。
内服薬・育毛・AGA治療との組み合わせ注意点
薄毛アートメイクは、内服薬・外用薬・育毛メソセラピーなどと併用が可能な場合も多いですが、注意点があります。
- 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を内服中
- 強いステロイド外用を頭皮に使用中
- 最近PRP療法など注入系治療を受けたばかり
これらに該当する場合、出血・内出血・色素の定着不良が起こりやすくなるため、施術のタイミングをずらす・薬剤を調整する必要があります。必ず、受診中のクリニックと情報を共有した上で計画しましょう。
頭皮アートメイク失敗例に学ぶ!よくあるトラブルと対策
ネット上で見かける「失敗例」の多くは、以下のようなものです。
- ドットが大きすぎて塗りつぶしたように見える
- 生え際のラインが下げすぎで不自然
- 数年後に色が変色し、緑っぽく・灰色っぽく見える
- 左右非対称で、写真に写ると違和感がある
これらを防ぐために
- 1回目は「少し物足りない」くらいの濃さでとどめる
- 2〜3回の施術で徐々に密度を上げる
- 室内光・自然光・スマホカメラなど、複数の光環境で確認
といった工夫を徹底することが必要です。
一度入れたら完全には消せないという前提で、将来の退色まで見据えたデザインを選ぶことが何より重要です。
クリニック・施術者の選び方と安心できる医療機関の条件

アートメイク資格・看護師・医師監修の有無で比較
薄毛アートメイクは医療行為に該当するため、日本では医師または医師の管理下の看護師のみが施術できます。選ぶ際は必ず、
- 医療機関(クリニック)であるかどうか
- 施術者が看護師資格を持っているか
- 医師がデザイン・リスク説明・アフターケアに関与しているか
を確認しましょう。
症例・口コミ・写真でわかるおすすめクリニック(東京・新宿・銀座など)
東京(新宿・銀座・表参道など)には、薄毛アートメイクを扱うクリニックが増えています。選ぶ際は、
- 症例写真が十分に掲載されているか(ビフォー&アフター・経過)
- 写真が極端な加工ではなく、リアルな光の下で撮影されているか
- 口コミで、対応やアフターフォローについて具体的な評価があるか
といった点をチェックしましょう。
無料カウンセリング・診断で確認すべきポイント
カウンセリング時には、次のような点をぜひ質問してみてください。
- 自分の薄毛タイプにアートメイクは本当に向いているのか
- 何回くらい・どのくらいの期間で完成を目指すのか
- 持病や内服薬との関係で注意すべき点はあるか
- トラブル時の対応(修正・除去・返金など)はどうなっているか
これらに対して、医師・看護師が丁寧に・正直に答えてくれるクリニックは、信頼できる医療機関である可能性が高いと考えてよいでしょう。
料金・費用の目安とお得なプラン活用術

実際の値段・料金相場(初回~2回目・リタッチ・交通費)
薄毛アートメイクの費用は、範囲や回数によって大きく変わりますが、おおよその目安は以下のとおりです。
- ポイント(つむじ・分け目のみ):数万円台〜
- 頭頂部〜分け目の中範囲:十数万円〜
- 生え際+頭頂部など広範囲:数十万円〜
- リタッチ(1〜2年以内):初回の30〜70%程度
遠方から通院される場合は、交通費・宿泊費も含めてトータルのコストを検討することが大切です。
安いだけで選ぶのは危険?費用と技術・保障の比較ポイント
価格だけで選ぶと、
- 経験の浅い施術者が担当している
- 色素や針の品質・衛生管理が不十分
- トラブル時の修正や返金ルールがあいまい
- といったリスクがあります。
- 「安さ」ではなく、「納得できる技術とフォローに対して適正な価格かどうか」という視点で比較することが重要です。
持続期間・効果と満足度の実際
薄毛アートメイクの大きなメリットは、
- 汗やシャンプーで落ちない24時間ヘアメイク
- 鏡や写真を見るときのストレスが軽くなる
- スタイリング時間が短くなり、朝がラクになる
といった生活の質(QOL)の向上です。
持続期間はおおよそ2〜3年が目安で、退色の度合いに応じてメンテナンスを行います。
痛み・ダウンタイム・麻酔など負担・リスク
痛みは、チクチクすると表現されることが多く、多くの方が許容範囲と感じています。
ダウンタイムはおおむね
- 当日〜1日:赤み・ヒリつき・軽い腫れ
- 数日〜1週間:薄いかさぶた・つっぱり感
といった経過で、仕事を休まなければならないケースは少数です。
ただし、まれにアレルギー反応・感染症・色ムラなどのリスクがあるため、医療機関での適切な管理が欠かせません。
修正・除去・アフターケアの方法と注意点
アートメイクは時間とともに薄くなりますが、完全にゼロに戻したい場合はレーザー治療が必要になることもあります。
そのため
- 最初から濃く入れすぎない
- 「足していく」前提で2〜3回のプランを組む
- 将来の白髪化や薄毛進行も見据えてデザインする
といった方針で、後悔しないアートメイクを重視することが大切です。
また、術後のシャンプー・運動・飲酒・紫外線など、アフターケアのルールを守ることも仕上がりを左右する大切なポイントです。
失敗しない薄毛アートメイクのために―事前準備と相談のすすめ

カウンセリングから予約・アフターフォローまでの流れ
一般的な流れは次のとおりです。
- WEB・LINEから無料カウンセリング予約
- 専門看護師・医師による診察・頭皮チェック
薄毛タイプ・内服薬・既往歴を確認し、アートメイクの適応かどうかを判断します。 - 看護師によるデザイン相談・費用説明
範囲・回数・料金・ダウンタイムなど、不安な点をすべて確認していただきます。 - 施術予約・当日の施術
- 術後フォロー・必要に応じたリタッチ
興味はあるけれど、まだ決心がつかないという段階でも、情報を整理するためのカウンセリングだけでもしてみることをお勧めします。
ヘアライン・毛並み・色素選び等デザインのポイント
デザインで意識していただきたいポイントは、
- 「今の理想」だけでなく5年後・10年後も違和感がないか
- 髪型を変えたときにもなじむラインかどうか
- 肌色・瞳の色・髪色に合った色素を選べているか
です。
鏡だけでなくスマホカメラ・動画・横顔など、さまざまな角度から確認しながら、一緒にちょうどいいラインを探っていくことが大切です。
専門クリニック・美容皮膚科・医療機関への相談の重要性
薄毛アートメイクは、単なるメイクやタトゥーではなく、医療の一部です。
だからこそ、
- 薄毛治療全体の中でアートメイクをどう位置づけるか
- 内服薬・注入療法とのバランスをどう取るか
- 将来の変化まで見据えたデザインをどうするか
といった点を、医師と一緒に考えることが大切です。
もし今、
「アートメイクが気になるけれど、自分に合うかどうか不安」
「治療も含めて、トータルで相談したい」
というお気持ちがあるなら、一度専門クリニックに相談してみることをおすすめします。
薄毛アートメイクは、正しく選べば毎朝の憂うつを軽くしてくれる心強い味方になり得ます。
気になる方は、どうぞお気軽にWEB予約・LINE相談からご相談ください。


